淳之介の背中

吉行文枝 著

だれが本当に吉行淳之介を愛していたのか。その背中を愛おしく抱きしめた妻・吉行文枝が淳之介との暮らしを、重い口を開いて初めて語る書下しエッセイ。秘蔵の写真多数収録。

 

私たち夫婦は、ある時をさかいに、別々に暮らさなくてはならなくなりました。長い間離れて過ごした人ですが、片時も主人のことを忘れたことはありません。……離れて暮らした時間に比べれば、一緒に過ごした歳月はそのわずか半分にすぎませんが、主人と交わした言葉のひとつひとつ、日日の一片一片は、少しも色褪せることなく私の中にあります。(本文より)

 

イラスト 新井由木子
ブックデザイン 堀渕伸治(tee graphics)

 

■吉行淳之介について

吉行淳之介(よしゆき・じゅんのすけ)

1924年4 月13日─94年7月26日。小説家。1954年『驟雨』で第31回芥川賞受賞、代表作に『砂の上の植物群』『夕暮まで』『暗室』など多数。

 

 

  • 四六判/上製本/カバー装/本文148頁
  • 1,600円(本体価格・税別)
  • 2004年6月刊
  • ISBN4-88008-318-6 C0095
  • ※在庫僅少