1920年代のパリ、血を吐くようなシャンソンを歌った歌手がいた。その名は、イヴォンヌ・ジョルジュ。1896年ベルギーに生まれ、1930年イタリアの港町ジェノバで夭折。現在残っている録音はわずか15曲のみ。詩人ロベール・デスノスは、イヴォンヌを「海の星」と崇めた。コクトー、メーテルリンク、サティはイヴォンヌの哀切な歌声に引き寄せられ、坂口安吾はイヴォンヌの「お前がほしい」を聴いて日本初演に尽くした。イヴォンヌ・ジョルジュの魅力を語った初の本格評伝。レパートリー解説付。
サティを、コクトーを刺激した伝説のシャントゥーズ、今、この熱情に浸る──夏木マリ
■書評
「ふらんす」2003年11月号
- 四六判/上製本/糸かがり/カバー装/本文232頁
- 2,400円(本体価格・税別)
- 2003年6月刊
- ISBN4-88008-301-1 C0073