本書は二条家旧蔵・臨南寺現蔵「仮名書き四書」の中の「大学」と「中庸」の二書を影印・翻字して収録したものである。江戸時代後期の写本でありながら伝統的な訓法と、江戸後期の音韻・仮名遣などを反映した点との両面が窺える好資料である。特に江戸後期の京都方言の特徴が音韻・仮名遣の面で見られるのは興味深い。また仮名書きの「大学」「中庸」が臨南寺以外に所蔵されるのを聞かないので、天下の弧本なのかも知れない。
- A5判/上製本/糸かがり/本文150頁
- 2,500円(本体価格・税別)
- 1996年4月刊
- ISBN4-89629-053-4 C3381