「中国の魅力的な50人」(2005年)に選ばれるなど中国現代詩の代表詩人のひとり、翟永明(ザイ・ヨンメィ)は、文化革命以後の1984年、第一詩集『女』(原題「女人」)により登場、詩人独自の抽象的な表現によって、女性の立場、女性の運命のあり方を問いながら、女性の生命の輝きを率直に描いた。当初の発行部数はたった20部だったが社会に大きな衝撃を与えた。
早くから日本でも注目されていた『女』、連作詩20篇は、女性として生きることの根源を烈しく探求しており、深い感動を生む。
装丁 三橋光太郎
■著者
翟永明(ザイ・ヨンミィ)
1955年中国・成都生まれ。現代中国の最も優れた女性詩人として知られる。成都電信工程学院(現:電子科技大学)を卒業後、研究者として物理学研究所に勤務するが、1984年に第一詩集『女』(原題『女人』)を刊行。独特な言語表現と、女性・女性性の画期的な視点で、中国の文壇に大きな衝撃を与える。1986年に辞職し、現在まで詩人として精力的に活動を続けている。代表作に『女』をはじめ、『黒夜の素歌』『翟永明詩集』など多数。エッセイ集『白夜譚』ほか文芸批評集もある。1998年、「白夜」という文壇バー&文化サロンを成都に開設。文学、芸術、映像などの企画を立案し展開している。2010年「中国女性詩人トップ10」に選出され、2011年にはイタリアのチェッポ・ピストイア国際文学賞を受賞。同賞の審査委員長は、翟永明を「現代世界で最も偉大な詩人の一人」と称えた。
■訳者略歴
あわやのぶこ
静岡県伊豆生まれ。東京女子大学で英米文学、RI奨学金を得て南メソジスト大学留学。東京女子大学大学院コミュニケーション専攻修了。ジャーナリスト活動の後、再渡米、アジア系アメリカ紙「International Examiner」や国連協会の編集に関わる。大学でジェンダーを含む異文化コミュニケーションを教え、『Re-Imaging Japanese Women』(共著、カルフォルニア大学バークレー出版局)を含め、訳書著書多数。
2007年より生家「知半庵」(国登録有形文化財)でアートプロジェクトを始動。現在、伊豆アートセンター「知半庵」代表として地方文化再生を担う。
但然(ダン・ヅェン)
本名は但継紅(ダン・ジイホン)。中国・青海省生まれ。青海師範大学文学部を卒業後、新聞記者として活動。1992年に来日し、お茶の水女子大学大学院で日本政府(文部科学省)奨学生として中国現代詩を中心に比較文化の研究で、博士課程満期修了。松蔭大学コミュニケーション文化学部准教授を経て、フリーランスの通訳・翻訳家。大学時代から詩を書き、中国の大学間での詩人ネットワークでも活動。来日後も日中の詩のシンポジウムなどで通訳を務め、現在は早稲田大学、成蹊大学などでも教えている。
■目次
一 予感/二 臆想/三 瞬間/四 荒屋/五 渇望/六 世界/七 母/八 夜半/九 憧憬/十 夢魔/十一 独白/十二 証明/十三 辺縁/十四 七月/十五 秋/十六 回転/十七 人生/十八 沈黙/十九 生命/二十 終結
「詩は──翟永明の登場」あわやのぶこ・但然
- A5判変型/並製本/本文80頁
- 2200円(本体価格・税別)
- 2026年10月17日刊
- ISBN978-4-89629-481-1

