1994年、チェ・ヨンミが刊行した第一詩集『三十歳、宴は終わった』は50万部を超える大ベストセラーとなった。一躍脚光を浴び、時の詩人となったチェ・ヨンミは、その後どのように時代とたたかいながら人生を歩み、詩をひらいていったのだろうか。
ソウル大学校の学生時代に知り合い、その活躍を長く見つめてきた丁海玉が、チェ・ヨンミのこれまでの8冊の詩集から、「恋」「闘う」「孤独」「詩」といった7つのテーマに分けて詩を選び出し翻訳、日本に初めて紹介する。韓国現代詩を代表するチェ・ヨンミという詩人の魂のありかを、長年の友情とともに解き明かす。
詩59篇とエッセイ2篇を収録。
装丁 三橋光太郎
■著者
チェ・ヨンミ
1961年韓国ソウル市生まれ。ソウル大学校人文大学西洋史学科卒業後、弘益大学校大学院西洋美術史修士取得。1994年、第一詩集『三十歳、宴は終わった』を刊行。個人の性愛や社会風刺をストレートに表現した内容が大きく注目され50万部を超えるベストセラーになる。『夢のペダルを踏んで』、『豚どもへ』(梨樹文学賞)など、これまで8冊の詩集を上梓しているが、高い自意識と鋭い社会批評眼を持ち、人々に寄り添いながら社会問題や風俗をえぐるなど独自の文学の道を切り拓いている。他の著書に、小説『傷痕と紋様』『青銅庭園』、エッセイ集『時代の憂鬱』『思いがけず私の日記をのぞき見る人へ』など多数。2017年に発表した詩「怪物」により高名な詩人のセクシャルハラスメント疑惑を暴き、Me too裁判で詩人から訴えられるが勝訴する。このMe too活動により、2018年ソウル市性平等賞大賞を受賞。2019年、詩人の発言の場を確保するために出版社「イミ」を創業、旺盛な文学活動を展開している。
■編訳者
丁海玉(チョン・ヘオク)
1960年神奈川県川崎市生まれ。在日韓国人二世。1984年ソウル大学校人文大学国史学科卒業。1992年大阪高等裁判所通訳人候補者名簿登録。大阪、広島、名古屋、高松各高等裁判所管内にて法廷通訳研修講師(韓国語)を務める。著書に、『法廷通訳人』、詩集『こくごのきまり』、編書に『祈り 金時鐘詩選集』、訳書に『きょうの肴なに食べよう?』(クォン・ヨソン著)。詩誌『space』同人。
■目次
禅雲寺(ソヌンサ)にて
禅雲寺(ソヌンサ)にて/三十歳、宴は終わった/ラストセックスの追憶/秋には/夢のペダルを踏んで/Tへ──黒の上に薄い赤/恋人/むなしく壁を叩いた手のひら/春の日
三月
二律背反/彼らに対する瞑想/豚どもへ/文壇デビュー所感/怪物/毒のついた紙/三月/Femme fataleの回顧
夢がこぼれ落ちたポケット
送信トレイ/昔のボーイフレンド/ベルリンの夏/夢がこぼれ落ちたポケット/住所録を整理しながら/My Bed
グローバルニュース
Personal Computer/地下鉄で−黄色い10月/サタデーナイトの超お手軽な神様/アーメン1/アーメン2/正義はサッカー場だけにある/グローバルニュース/風刺詩の練習/文明の始まり/愛と怒り
思いがあふれて詩が生まれ……
思いがあふれて詩が生まれ……/詩/詩とウンコ/二度と/書く人類/事業者登録/編集会議
秋夕(チュソク)の頃
ロンドンのシルヴィア・プラス/四十四年前の今日/秋夕(チュソク)の頃/寝言/死は練習できない──あの年の夏のメール/連休の終わり/私の闘い/日曜日の晩/罪と罰
空港鉄道
領収書/幸福論/ある同窓会/すでに/蟻/ごはんを炊きながら/二〇一九年新年の願い/空港鉄道/六十歳/私の旅
エッセイ
舌を嚙む痛みなしに/言葉の力、詩の力
あとがき
チェ・ヨンミという生き方 丁海玉
- 四六判/並製本/本文184頁
- 2200円(本体価格・税別)
- 2026年5月30日刊
- ISBN978-4-89629-475-0

