西村麒麟 著

俳句結社「麒麟」を主宰する人気の俳人西村麒麟の待望の第3句集。
俳諧的なゆったりした時間にひたって世情の機微に触れ、昆虫や植物の細やかな表情を観察して豊かないのちを味わう。飄逸な作風が深まり、麒麟ワールドが見事にひらく。

装丁 関宙明 ミスター・ユニバース

 

■本句集より

ぼうふらの世界にあまた誕生日
大阪の眩しき朝や夾竹桃
秋風や文字の小さき小津日記
鰻屋でさつと描きし妻の顔
冬かもめ一つの島が日を集め

 

■著者

西村麒麟(にしむら・きりん)
1983年大阪府生まれ。現在、東京都江東区在住。
俳句結社「麒麟」主宰、「古志」同人。
句集に『鶉』(2013年)、『鴨』(2017年)、『鶉 新装版』(2023年)。
2009年、「静かな朝」20句により第1回石田波郷新人賞。2014年、第4回芝不器男俳句新人賞大石悦子奨励賞。同年、『鶉』により第5回田中裕明賞。2016年、「思ひ出帳」150句により第7回北斗賞。2019年、「玉虫」50句により第65五回角川俳句賞。2023年、結社「麒麟」創刊。

 

■目次

「麒麟」以前
「麒麟」以降
あとがき

 

 

  • 四六判変型/上製本/本文174頁
  • 2300円(本体価格・税別)
  • 2024年7月刊
  • ISBN978-4-89629-444-6 C0092