心根やさしく、生きることが不器用で繊細な詩人がそれでも、時代に抗うために果敢に実践する、ながい、ながい独白。その〈向こうみずな〉姿がいさぎよい。
一筋の息が途切れることなく痛切に響いている21篇の詩集。
装丁 西田優子
■本詩集より
人生は不思議に満ちている
どんな退屈な人生にも
一輪の花が有るだけでも
世界は美しいものだって
そんな風に思える
(略)
生きて居たい
世界よ
全ては
お前の望むままに
──「ひとりぼっち(A・Nに)」より
■目次
拒食の肖像/I hate to be a pretty little girl/首吊り‐絞首/夜は決して死なない/たいようにさよならを/オリャア×ウギャア/クリュタイムネストラ(狂時間雌雄虎)/Point en suspens(未決状態)/期待はしません/beaux draps(美しい衣裳)/ひとりぼっち(A・Nに)/土龍/Mに寄せるDの弁明・当世風/狂気と才能/おいもさん、こんにちは/悪夢/ミーの絶句/わたしは欲しくない/寒肥/朝の光/言葉
あとがき
■著者
清水希有(しみず・けう)
1964年茨城県生まれ。日本大学国際関係学部、早稲田大学第一文学部卒業。一時期、エコロジー関連の雑誌編集者を務める。
著書に『詩集 影踏み』、評論集『不羈と抑制』。
- 四六判変型/上製本/本文192頁
- 2200円(本体価格・税別)
- 2024年5月刊
- ISBN978-4-89629-438-5 C0092