ちいさな娘がいる詩人のちいさな家庭。
詩人の家庭には慎ましくやさしい時間が流れていて、
祈りのような言葉のかけらが浮かんだり沈んだりしている。
19篇の端正な音が響く家庭詩集、あなたの心にたどり着くだろう。
装丁 港の人装本室
■本書より
昨日の夜 二段ベッドで寝た
上が君で 下がパパ
じゃあね 電気消すよと
二人で寝た
上のベッドの骨組が
クジラの肋骨みたいと思ったら
君の寝返りで
急にベッドが揺れた
それがおさまると
大きな寝息がひとつ鳴った
──「大きなクジラ」より
■著者
堀江源(ほりえげん)
1978年東京生まれ。
2004年東北大学大学院卒業。現在、横浜市在住、会社員。
■目次
遠い眼/友/ベトナム・ダラット/きみの家から/ぼくの図書館/こころをひらく/大きなクジラ/浜離宮庭園/細かな雨/しあわせの音/2066木星への旅/白い宇宙/2022宇宙への旅/朝食で/二月の梢/水の痕/朝に聞く/朝起きたら
あとがき
- 四六判変型/並製本/本文64頁
- 1600円(本体価格・税別)
- 2024年5月刊
- ISBN978-4-89629-435-4 C0092