「羽良多平吉はデザインで詩を書く。いつでも詩人である」(宇野亜喜良)
そう、北原白秋、佐藤春夫、竹久夢二、恩地孝四郎、北園克衛、山名文夫……かつて詩人はデザイナーで、デザイナーは詩人だった。
ポエジーを表現の根幹に置く書容設計家・羽良多平吉はじめての単著として、その詩的言語(écriture poétique)77篇を集成。
書き下ろしイントロダクション、新作デッサン1点、ヴィジュアル・ポエトリー2点、1964年から現在に至る著作目録を付す。
1924年の『マヴォ』『ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム』『亜』創刊から100年を期して港の人が送る、モダニズム詩誕生100年記念出版。
書容設計 羽良多平吉・上野勇治
編輯 郡淳一郎・井上有紀
協力 室賀清徳・ばるぼら
■著者
羽良多平吉(はらた・へいきち)
1947年9月28日、吉祥寺生まれ。1970年、東京藝術大学美術学部工芸科ヴィジュアル・デザイン専攻卒。エディトリアル・デザイナー。
イエロー・マジック・オーケストラ『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』(1979)等のレコード、『大島弓子選集』(1985–86)等のコミックス、『ガロ』(1981–98)、『クイック・ジャパン』(1993–98)、『ユリイカ 』(1998–2021)等の雑誌で、サブカルチャーの最先端を視覚化し続けてきた。
稲垣足穂『一千一秒物語』(1990)、松岡正剛『フラジャイル』(1995)、吉増剛造『花火の家の入口で』(1995)など文芸書でも、書物本来の気高さを清新に造型。
精緻かつ劇的なタイポグラフィー、官能的なカラーリング、超絶的リミックス感覚……最大限の矛盾と逆説を孕んだデザインは後進に多大な影響を与え、世界中に熱烈なファンを持つ。
- 新書判/上製/カバー装/本文184頁
- 500部限定/著者署名入り・限定番号印字
- 5000円(本体価格・税別)
- 2024年1月刊行
- ISBN978-4-89629-430-9 C0092