数学を愛する詩人が、数学と人生について考察した数学詩集。
数学の清冽な佇まいと豊かな言葉が織りなし、その寡黙な翳りと切なさが心を震わせる。
いま、23篇の数学詩の愉悦を味わう。
カバー彫刻作品 中澤安奈「婚礼の準備」
本文図版 中澤安奈
装丁 港の人装本室
■著者
中村郁恵(なかむら・ふみえ)
札幌市生まれ。札幌市在住。
1994年、転勤先の函館市において「文章教室」と出会う。講師だった作家 故・木下順一氏より書くことで広がる地平の厳しさと豊かさを享受する。散文は、この教室の流れを汲む函館「八〇〇字会」に現在も送稿で参加。2012年より札幌「グッフォーの会」に在籍し、詩人・評論家の笠井嗣夫氏のもと、詩作をはじめ精進途上中。
■本書より
数学は、何が起きてもどんな時代が巡ってきても、いかなる定理も動じることなく、端正な地平を広げてくれています。愚痴もこぼさず、気負いなく、泰然と。その姿に触れるたびに、わたしの背筋はまっすぐさを取り戻し、微かな安寧にほぐれていきます。
「あとがき」より
■目次
透きとおる記号/昭和さんくちゅあり/線/円かなハルモニー/数めくり/分界/こんな日もある/漸近線/数な宙/直線/Square/親和数/–1個をかじるとき/topology/たがいに素/Routine/円環/いのり/空集合∅/スウコさんの微積なone day/鏡のくに/雑閙/Singie Seed/
あとがき
- A5判変型(139×191ミリ)/上製本/カバー装/本文104頁
- 2000円(本体価格・税別)
- ISBN978-4-89629-423-1 C0092