女流工芸展入選などを重ねる著者の竹工芸作品のなかから、日々の暮らしのなかで楽しめるインテリア作品120点を収録。
壁掛け、竹敷、コースター、花籠、掛け籠、飾り籠、盛り籠など、現代の生活のなかで竹本来の美しさと風合いを味わうことのできる諸作品、また新しいクラフトとして注目を集める、柿渋を使った「一貫張り」などの作品と手法を紹介。編み組みの経験があればつくり方がわかるように作品を撮影し、写真だけではわかりづらい点には助言を添えた。
さらに、竹工芸の魅力、竹素材や竹職人との出会いをつづるエッセイやコラムも充実。
ブックデザイン 飯塚文子
写真 河内彩
■著者
佐々木知恵子(ささき・ちえこ)
東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。
個人誌『群花』『竹のこと通信』発行人。
著書に小説集『分相応』(2021年、港の人)。
籐工芸を学び、その後竹工芸を始める。
2006年、NHK文化センター竹工芸講座受講。同年、彩竹会会員になる。
2008年より2022年まで全国竹工芸展に出品。
2013年、バスケタリージャパン展入選。
2014年、女流工芸展入選。
2015年、バスケタリージャパン展入選。女流工芸展入選。第39回女流工芸展FM NACK5賞受賞。
2016年、女流工芸展入選。
2017年、バスケタリージャパン展および女流工芸展入選。
2019年、バスケタリージャパン展入選。
2022年、女流工芸展入選。
2023年、バスケタリージャパン展および女流工芸展入選。
日本バスケタリー作家協会会員
埼玉県女流工芸作家協会会員
■本書より
プラスチック用品が出現して竹が滅びたと思っている人が多いようですが、実際は、何十年に一度の割合で起こる竹花の開花によって真竹が枯れて、産業として滅びざるをえなかったというのが実情です。その時期、廃業した職人や竹屋が全国に多数いて、それが現在の竹林の荒廃につながっています。竹は成長や増殖が速いので、個人の手には負えません。外国産の竹や竹製品の流入もその時期からはじまり、日本の竹製品はどんどん片すみに追いやられてしまいました。
でも日本人は変わらず竹が好きだと思うのです。インテリア的なものなら、部屋に飾って楽しめます。花籠や飾り籠、その他の器もそうしたものを選びました。制作の参考になれば幸いです。
「はじめに」より
■目次
はじめに
壁掛け…六つ目花組みで組む/二重六つ目で組む/二本とび八つ目を組む/さまざまな組み模様/組み合わせの楽しみ/デザインの提案
コラム 竹の調達
竹敷…竹敷とその応用/茶染めの竹との組み合わせ/染め竹の色をいかす/さまざまな組み模様/コースターの楽しみ
コラム 縁のつけ方
花籠…組みの工夫/デザインの提案/小さな花籠たち/創作作品集
コラム 材料づくりについて
掛け籠…デザインの提案/ござ目編みで組む/壁掛けとの組み合わせ
コラム 竹を割る
飾り籠・器…飾り籠/多用途籠/卓上籠/菓子器/盛り籠
コラム 竹細工と竹工芸
一貫張り…壁掛け/トレイ/器
コラム 一貫張りの手順
エッセイ…若き竹職人/房総の竹屋さん/富士竹類植物園/朝倉彫塑館と竹/一貫張り教室に参加して
あとがき
- B5版/並製本/本文96頁/オールカラー
- 2000円(本体価格・税別)
- 2023年8月刊
- ISBN978-4-89629-421-7 C0072