2014年、第5回田中裕明賞を受賞した『句集 鶉』、待望久しく新装版として刊行。
「市井の隠者を思わせる俳風」「俳句らしい普遍性をもった飄々とした作品」などと高く評価される。当時、少部数の私家版として刊行、今や垂涎の句集と評判。
『句集 鶉』は、現在、俳句結社「麒麟」を主宰する西村麒麟の初期を示す225句を収める。
装幀 関宙明 ミスター・ユニバース
■著者
西村麒麟(にしむら・きりん)
1983年大阪府生まれ。現在、東京都江東区在住。
俳句結社「麒麟」主宰、「古志」同人。
句集に『鶉』(2013年)、『鴨』(2017年)。
2009年、「静かな朝」20句により第1回石田波郷新人賞。
2014年、第四回芝不器男俳句新人賞大石悦子奨励賞。
同年、『鶉』により第5回田中裕明賞。
2016年、「思ひ出帳」150句により第七回北斗賞。
2019年、「玉虫」50句により第65回角川俳句賞。
2023年、結社「麒麟」創刊。
■本句集より
へうたんの中に見事な山河あり
冬ごもり鶉に心許しつつ
嫁がゐて四月で全く言ふ事無し
江ノ電に綺麗な梅雨のありにけり
すぐそこで蟹が見てゐるプロポーズ
■目次
秋
冬
新年
春
夏
- 四六判変形/上製本/本文128頁
- 2000円(本体価格・税別)
- 2023年4月発行
- ISBN978-4-89629-418-7 C0092