衣は身体と共鳴することで生きはじめる
身体の延長として描かれる輪郭
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装う、根をはる、土地に立つ
舞台衣裳家として活躍するさとうみち代の衣裳作品集。
装うとはどういうことだろうか。
いつごろから人は装うことをはじめたのだろうか。
「人が装う」ことのはじまり、古来の姿を追い求め表現した作品群を美しい写真で紹介する。
スタジオ撮影による「衣奇譚」、野外撮影による「風の中に在る衣」の2部から成り、コデックス装の左開き・右開きが合わさったユニークなW製本。
衣裳・文 さとうみち代
写真 渞忠之
装幀 須山悠里
■著者
さとうみち代
衣裳家。香川県豊浜生まれ。武蔵野美術大学にてテキスタイルデザインを専攻。卒業後、内装材メーカーでテキスタイルデザイナーとして企画、デザインに従事。顔の見える物作りがしたいという思いから文化服装学院二部に入学、在学中より工房でバレエ、オペラの衣裳製作に携わる。動きやすさとシルエットの美しさ、機能とデザインを兼ね備えた衣裳のあり方を追求している。2007年三鷹天命反転住宅における「morphing~家と体の間の、服~」展示&パフォーマンスをきっかけに、「服」と「身体」の関わり方を提案するmorphingプロジェクトを展開。東日本大震災で自然の脅威を目のあたりにし、その後岩手の郷土芸能を題材にした作品に従事し現地に赴いた体験から自然と人間、芸能の歴史、アジア人の身体性を捉え直す取り組みを始めた。本書はその成果のひとつである。
展示&パフォーマンス
2007「morphing~家と体の間の、服~」(三鷹天命反転住宅)
2008「Vexatio + Morphing」(セルバンテス文化センター東京)
2008「morphing~体の延長になる、服~」(横浜ザイム)
2011「morphing~言葉とイメージの間の、服~」(三鷹天命反転住宅)
- A4判変型/コデックス装(W製本)/左開き=本文58頁・右開き=本文50頁
- 5000円(本体価格・税別)
- 2023年7月刊
- ISBN978-4-89629-417-0 C0072