龍に呑まれる、龍を呑む

四元康祐 著

「26年前、僕はヨーロッパという龍に吞みこまれた」、以来ヨーロッパの腹のなかで暮らし、各地を探訪してきた詩人の傑出したヨーロッパ体験記。
中心と辺境、パブの話、サンティアゴへの巡礼路、頑固で饒舌な人々、難民とヨーロッパの普遍性、フィンランドにみるヨーロッパの本質、戦後ドイツの良心と覚悟、トイレの尊厳、薬局のシンボル、1848年は「諸国民の春」、言葉の話……。ゆたかな感性と深い思索によってヨーロッパという龍を見事に生け捕るヨーロッパ詩文集。ヨーロッパ、そして世界のこれからの行方を知るために、龍を呑む。

『日本経済新聞』連載の好評エッセイ24篇、詩31篇、コラム7篇(いずれも書き下ろし)、写真18点(カバー写真含む、著者撮影)を収録。

 

■目次

龍に呑まれる
ヨーロッパ、ヨーロッパ!
龍の髭 その1 ヨーロッパの範囲
石の街・森の足音
石畳の現在
パブの変容
聖母の変遷
黄色い矢印
フィニステラ Finisterra
浦塩斯徳 Vladivostok
帝国の橋の袂で
ドナウ同盟
龍の髭 その2 ドナウを辿って
泣く女
命題
水の中のブルカ
バス停のオセロゲーム
アウトバーン
黒いオルフェ
龍の髭 その3 街角の難民たち
故郷の大地の匂い
北フリジア語
ハマフェスト
フィンランディア
龍の髭 その4 北へ
点と線のヨーロッパ
窓の外の行列
龍の髭 その5 苦しみの道
西洋枕草子
トイレの尊厳
ストラスブール
木工・リーメンシュナイダー(1460–1531)
嵐が丘への帰郷
夏の雪山
言葉の裸身
ナポリ駅から
聖俗混合
聖アグネス修道院の三連祭壇画
夜のシンフォニー
ヘビの杯
アムステルダム
1848
鏡の中のヨーロッパ
線は踊る
線としてのヨーロッパ
母音と子音
パリのEinsamkeit
龍の髭 その6 パリのドイツ語
路上の残像
冬のパリ
リルケとカフカ
1883年のリルケとカフカ
移動と定住
手相
龍の髭 その7 さまよえるドイツ人
地形としてのヨーロッパ
地形の研究
聖ヨハネの炎
クレタ
龍を呑む
VLADIVOSTOK・東方を制覇せよ!
アパートの窓からの眺め
注の説明
あとがき

 

■著者

四元康祐(よつもと・やすひろ)
1959年生まれ。詩集に『世界中年会議』(第3回山本健吉文学賞、第5回駿河梅花文学賞)、『噤みの午後』(第11回萩原朔太郎賞)、『日本語の虜囚』(第4回鮎川信夫賞)、『フリーソロ日録』ほか。小説に『前立腺歌日記』『偽詩人の夜にも奇妙な栄光』、文芸批評に『谷川俊太郎学』『詩人たちよ!』。翻訳にサイモン・アーミテージ『キッド』(栩木伸明と共訳)、『ホモサピエンス詩集』など。近著は『月の光がクジラの背中を洗うとき 48か国108名の詩人によるパンデミック時代の連歌』

 

  • 四六判変型/並製本/カバー装/本文224頁
  • 2000円(本体価格・税別)
  • 2022年6月刊
  • ISBN978-4-89629-408-8 C0026