離火(りか)

四方田犬彦 著

映画評論、比較文学などで旺盛な執筆活動を展開する四方田犬彦。詩集『わが煉獄』以来、7年ぶりに新詩集『離火』を刊行する。詩人の言葉が鮮やかに烈しく現代をうつ。
詩人の記憶が、あるいは世界の記憶が、時代の記憶があちこち交差しながら、ひとつの魂の声になって蘇る。深い哀しみ、深い歓び。壮大で静謐な詩集が誕生する。
「離火」の語は『易経』に依る。離とは麗、明るさである。三十三篇をもって一本と成すことにした。(後記より)

 

■目次

造化/狩猟/時節 /馬/クワガタ
ラフレシア/マテーラ/灰燼/懐沙/離火わがチューリップ讃歌
美しい夏/予感/告解/難路/ヨハネ/ルカ/仙女/アリス・スイート/燈台
ソウル1979年/西15丁目215番地、チェルシー/燭
破瓜/地上/頭蓋/薔薇/手/日没
ジャン・ヴィゴを憶い出す詩
燕/オルフェ/帰路
後記

 

■著者

四方田犬彦(よもた・いぬひこ)
1953年、大阪箕面生。詩集に『眼の破裂』(百頭社、1993年)、『人生の乞食』(書肆山田、2007年)、『100 POSTCARDS』(大和プレス、2009年)、『わが煉獄』(港の人、2014年)がある。翻訳詩集にマフムード・ダルウィーシュ『壁に描く』(書肆山田、2006年)、ピエル・パオロ・パゾリーニ『パゾリーニ詩集』(みすず書房、2011年)、チラナン・ピットプリーチャー『消えてしまった葉』(共訳、港の人、2018年)がある。詩論集『詩の約束』(作品社、2018年)で鮎川信夫賞を受けた。

 

 

  • 四六判/並製本/カバー装/本文196頁
    2,400円(本体価格・税別)
    2021年9月刊
    ISBN978-4-89629-397-5 0092