時実新子に川柳を学び、関西で活躍する川柳作家の第3句集。家族のあり方や、愛とか憎しみとか人間の生きる根っこを探究しながら、独自のユーモアとペーソスのある川柳世界を展開する。
川柳作品と、川柳作家、柳本々々との対話「ぼれろ」の2部構成。現代川柳とは? 定型のこと、東日本大震災と川柳など、スリリングな対話を収録。
■収録作品より
幸福か日陰の探せない町で
ぼったくり移動遊園地 行きたし
財産のひとつに優しそうな顔
大安を少し焦がすといい香り
コンビニの棚に酷薄女子並ぶ
白線の内側鳩と待つ電車
■著者
竹井紫乙(たけい・しおと)
1970年大阪生まれ。1997年より川柳を始める。
終刊まで『月刊川柳大学』会員。
現在、びわこ番傘川柳会『川柳びわこ』会員。
第1句集『ひよこ』2005年、編集工房 円
第2句集『白百合亭日常』2015年、あざみエージェント
■目次
菫橋
菫橋/拝啓、川原君/お菓子のままで/りぼん/かび/いもうと/水色/森で暮らせば/四ツ目ちゃん/羽根族/青い鳥/かいぶつ/敏感な家/フクシュウ/母喰鳥/うつむく/風呂敷は紫/ドライクリーニング/こう/村/みやこ/十二単/ハロー、ワーク。/死神/エチュード/food chain/おばあさんになれたら
対話 ぼれろ 柳本々々 × 竹井紫乙
ずれてゆく/なぞなぞ/ゾンビ
- 四六判/並製本/本文118頁
- 1,500円(本体価格・税別)
- 2019年10月刊
- ISBN978-4-89629-367-8 C0092