うつわと一日

祥見知生 著

◎鎌倉・御成通りにあるギャラリー「onari NEAR」を拠点に、「うつわ」の魅力を伝える著作を多く持ち、国内・海外で「うつわ」を伝えるさまざまなスタイルの展覧会をプロデュースする祥見知生。日々の仕事の現場から届けられるツイッター、約8年分の言葉から厳選した「うつわ」名言集。

◎本当によい「うつわ」とはどういう器なのか? よい「うつわ」を選ぶには? 厳しく作品に向き合う作家たちに伴走するギャラリストの仕事とは? 「うつわ」の真の姿を伝えるため活躍を続け、大きな支持を得る著者の、こんなにも深くて熱い「うつわ愛」。

◎大切な日々の食事をのせる「うつわ」。権威や価格ではなく、愛着の持てるものを自分の目と手で選び、慈しんで使うことで、食生活も、美への意識も、生きることの意味も変わる。趣味の陶器や贅沢品としての焼きものではなく、日々の暮らしに寄り添うものとしての「うつわ」を訴える、愛あふれる言葉たち。

◎本書後半部では、東日本大震災前後3カ月余、2011年1月から4月までを、ツイッターとブログによってドキュメント。展覧会開催をめぐる葛藤、作家たちとの深い絆など、信念の日々を再現する。

 

■本書より

食べることが宿命だとしたら、その道具くらい、自分の手で、自分のものさしで選ぶ。そして食べるのだ。食べて自分の小ささに気がつき、自分のふがいなさを嘆き、他者の存在に感じ入り、愛しさに震える。そこから見えてくるものがきっとある。食べることは生きることだ。器とは生きる道具なのだ。

 

■著者

祥見知生(しょうけん・ともお)

2002年うつわ祥見オープン。鎌倉を拠点に食べる道具の美しさを伝えるテーマ性のある器の展覧会を各地で開く。著書に『うつわ日和。』『DVDブックうつわびと 小野哲平』『やさしい野菜 やさしい器』(ラトルズ刊)、『日々の器』『うつわを愛する』(河出書房新社刊)、『器、この、名もなきもの』(里文出版刊)など多数。「TABERU」「うつわ、ロマンティーク展」など東京・国立新美術館地階SFTギャラリーで展覧会のディレクションを行うほか、高知県立牧野植物園「樹と言葉展」企画・共催、 DEAN & DELUCA「はたらく器、おいしい皿展」、NYや台北ギャラリーで展覧会開催。『TEPPEI ONO』『LIVE 器と料理』(青幻舎刊)『うつわかたち』(ADP刊)など、UTSUWAを海外に伝えるバイリンガルな書籍の企画を進める。著作は中国、台湾で翻訳され日々のうつわを紹介し、うつわブームのきっかけとなる。CIBONE(東京・青山)、国立新美術館地階SFT(東京・六本木)、うつわ茶房KEYAKI(静岡三島クレマチスの丘)などで企画展及び常設展監修。経済産業省事業The Wonder 500プロデューサーを務める。

 

■目次

I うつわことば

onari NEARから/器と生きる/手から生まれたもの/ギャラリストとして

 

II うつわ日録 二〇一一年一月—四月

 

おわりに

 

 

  • 四六判変型/並製本/カバー装/本文208頁(写真7点)
  • 1,500円(本体価格・税別)
  • 2017年4月刊
  • ISBN978-4-89629-330-2 C0072