第一句集『六十億本の回転する曲がつた棒』で第3回田中裕明賞を受賞した気鋭俳人の第二句集。2011年から最近の作品まで、全1402句を収録する。
東日本大震災以降の社会詠や旅吟、博物誌的な作品、少年愛、数学といった多彩なテーマに果敢に挑戦する。17文字を自在に駆使し、息苦しく不穏な空気の時代を詠み、闘う。
■収録作品より
青色発光ダイオード以後の聖夜なり
音のなき爆発映る秋思かな
牛たちの木乃伊は黒く冷たく寝る
蛇抛り吾も抛られて宇宙あり
原子炉のごとくさびしき昼寝かな
■著者
関悦史(せき・えつし)
1969年9月21日、茨城県土浦市生まれ。2002年「マクデブルクの館」百句で第一回芝不器男俳句新人賞城戸朱理奨励賞。2006年「幸彦的主体」で第一回攝津幸彦記念賞。2009年「天使としての空間―田中裕明的媒介性について―」で第十一回俳句界評論賞。2011年、第一句集『六十億本の回転する曲がつた棒』刊行。翌年同書で第三回田中裕明賞。共著に『新撰21』『超新撰21』『俳コレ』(以上、邑書林)、『虚子に学ぶ俳句365日』『子規に学ぶ俳句365日』(以上、草思社)他。「豈」同人。
■目次
I 近景
II 渚にて
III 換気弁
IV ヤフー
V 目まいのする散歩
VI 山海経
VII 侵蝕世界
VIII BL(ボーイズラブ)
IX 数学
X コスモス
XI 花嫁
- 四六判変型/上製本/カバー装/本文216頁
- 2,000円(本体価格・税別)
- 2017年2月刊
- ISBN978-4-89629-327-2 C0092
- ※在庫僅少