渡辺のわたし 新装版

斉藤斎藤 著

口語短歌の名作の新装版。ゼロ年代歌人を代表し、短歌界の革命児とも言われる著者は、現代社会や若者の世相をうたい、現代の短歌を更新した。

この新装版には、作歌方法、鑑賞の仕方などを丁寧に述べた、新鋭歌人・阿波野巧也の「解説」、著者による「新装版あとがき」も収録。

 

■収録作品より

お名前何とおっしゃいましたっけと言われ斉藤としては斉藤とする

 

うつむいて並。 とつぶやいた男は激しい素顔となった

 

雨の県道あるいてゆけばなんでしょうぶちまけられてこれはのり弁

 

黄色い線の内側に下がる人類よみな俺知れずしあわせになれ

 

加護亜依と愛し合ってもかまわない私にはその価値があるから

 

■著者紹介

斉藤斎藤(さいとう・さいとう)

1972年、斉藤家生まれる。

2003年、「ちから、ちから」で第2回歌葉新人賞受賞。

2004年、『渡辺のわたし』オンデマンド版刊行。

2016年、『渡辺のわたし』新装版、第2歌集『人の道、死ぬと町』刊行。

 

■目次

「こんにちは」

ビルでも見よう

上半身が人魚

ちから、ちから

みんな よいこ

第2回歌葉新人賞

一神教の都合

父とふたりぐらし

「ありがとう」

このなかのどれか

座椅子にすわる

松井2打点

くちぶえは何故

とあるひるね

 

新装版あとがき

解説 阿波野巧也

 

 

  • 四六判/並製本/本文128頁
  • 1,500円(本体価格・税別)
  • 2016年9月刊
  • ISBN978-4-89629-318-0 C0092
  • ※在庫僅少