◎山田航は2009年の角川短歌賞、現代短歌評論賞のダブル受賞で鮮烈にデビュー。さらに2012年に第一歌集『さよならバグ・チルドレン』を刊行し、現代歌人協会賞、北海道新聞短歌賞とまたもダブル受賞。以降、さまざまな媒体への短歌評論、書評など旺盛な執筆活動を展開している。ポスト穂村弘の呼び名が高い気鋭歌人・山田航の待望の第二歌集!
◎ひりひりとした緊張感や、エッジのきいた感覚を研ぎすませ、青春の痛みを美しく、烈しくうたう、まさに現代の青春歌集の傑作が誕生した。ロック・スピリットを堅持する歌人が、北の辺境から時代を穿つ!
◎ブックデザインは、『胞子文学名作選』、佐藤文香句集『君に目があり見開かれ』で好評を得た、セプテンバーカーボーイの吉岡秀典。
■本歌集より
祝福よすべてであれと病む肺のやうな卵をテーブルに置く
簡単に生きてみるのはもう止めにするんだ風が唸る屋上
棄てられた草原、そこに降り注ぐ星のひかりを愛さう、せめて
ガソリンはタンク内部にさざなみをつくり僕らは海を知らない
走るしかないだらうこの国道がこの世のキリトリセンとわかれば
■著者
山田航(やまだ・わたる)
1983年札幌市生まれ。歌人集団「かばん」所属。2012年、第一歌集『さよならバグ・チルドレン』により現代歌人協会賞、北海道新聞短歌賞を受賞。近刊に『桜前線開花宣言 Born after 1970現代短歌日本代表』(左右社)
■目次
辺境
長歌 啄木遠景
バイパス・ラブ
水に沈む羊
- 四六判/並製本/本文98ページ
- 1,200円(本体価格・税別)
- 2016年2月刊
- ISBN978-4-89629-310-4 C0392