暗闇を一斉に光る赤紫のボタンは
深海にただようウミウシ
水圧でバスの車体が
軋む
(「断られるために」より)
叔母の人生、死をおもい、ふかい哀しみが詩人のこころからにじみ、祈りの言葉、詩の言葉へとなってゆく。そしてやさしくやわらかな光を編むように『青の棕櫚』が生まれた。 大阪で活動している詩人山村由紀の感動の第3詩集。
■著者
山村由紀(やまむら・ゆき)
山口県生まれ。大阪在住。
個人詩誌「kanpinue」(カンピヌエ)を定期的に刊行し、ホームページ「空想曲率」を運営している。
詩集『記憶の鳥』(空とぶキリン社)2001年
詩集『風を刈る人』(空とぶキリン社)2006年
詩のアンソロジー『豊潤な孤独』編著(草原詩社)2008年
■目次
i
手紙/ロバ/夏ねむり/銀木犀/休日/アトリエ/倒産/春の入院/都会で暮らす
ii
断られるために/色違い/棕櫚の葉/あの日/青の棕櫚/茗荷/みとる/夕餉/空の烏/地の烏/迷子/月/彫る/沼
- A5判/ソフトカバー/本文88頁/カバー装
- 1,500円(本体価格・税別)
- 2013年11月刊
- ISBN978-4-89629-268-8 C0092