『言海』と明治の日本語

今野真二 著

◎日本初の近代的国語辞典『言海』(大槻文彦編)を手がかりに、明治期の日本語の姿を明らかにする。

◎『言海』(明治24年刊)は、国語学者の大槻文彦が編集した、近代的スタイルをもつ日本で初めての国語辞典。本書は辞書マニア、『言海』ファン待望の本。

◎明治期に刊行された他の国語辞典や漢語辞書との比較対照も行い、『言海』の成り立ちやその性質をくわしく分析する。

◎『言海』をもとに明治期の日本語をとらえた、画期的な一冊。

 

■「はじめに」より

「小規模に見えるが、編修の準備調査に編者独力の多大の苦辛を費やした稀有の作品で」「今日においても普通辞書の範とすべきもの」(一九八〇年東京堂出版刊『国語学大辞典』二八三頁、山田俊雄執筆)と評される『言海』(明治二十四年刊)は、ひろく知られている辞書といってよい。これまでにもさまざまな観点から分析されてきており、専論の数も少なくない。しかしそうした論の多くは、『言海』がどのように編纂されたかを明らかにすることに力点があったと思われる。 本書でもそうした面にふれないわけではないが、ここでは『言海』そのものに分け入ることで、明治期の日本語に関しての知見を得る、ということを目標とした。

 

■ 著者

今野真二(こんの・しんじ)

1958年、神奈川県鎌倉市生まれ。高知大学助教授を経て、清泉女子大学文学部教授。日本語学専攻。早稲田大学大学院博士課程後期退学。著書に『仮名表記論攷』(第30回金田一京助博士記念賞受賞)『書かれたことば』『二つのテキスト(上・下)』(以上、清文堂出版)、『文献から読み解く日本語の歴史【鳥瞰虫瞰】』『消された漱石 明治の日本語の探し方』(以上、笠間書院)、『振仮名の歴史』(集英社新書)、『文献日本語学』『漢語辞書論攷』『ボール表紙本と明治の日本語』(以上、港の人)、『百年前の日本語』(岩波新書)、『正書法のない日本語』(岩波書店)、『漢字からみた日本語の歴史』(ちくまプリマー新書)などがある。

 

■目次

はじめに

 

第一章 『言海』の体例

第一節 「本書編纂ノ大意」/第二節 「凡例」/第三節 「索引指南」

 

第二章 見出し項目について

第一節 『言海』が見出し項目に採った語、採らなかった語/第二節 {}が附された見出し項目/第三節 +が附された見出し項目

 

第三章 語釈

第一節 直下に漢字列が置かれていない見出し項目/第二節 直下に複数の漢字列が置かれている見出し項目/第三節 第三節 和用・和漢通用・漢用/第四節 「~ニ同ジ」という語釈/第五節 語釈中の仮名書き漢語/第六節 語釈における振仮名の機能

 

第四章 他の辞書体資料との対照

 

終章 『言海』の資料性

 

おわりに

あとがき

 

 

  • 四六判並製/本文280頁
  • 2,800円(本体価格・税別)
  • 2013年9月刊264
  • ISBN978-4-89629-264-0 C3081