国立国語研究所「日本大語誌」構想の記録 全1巻別冊1

飛田良文 編

◎かつて国立国語研究所は日本語用例辞典『日本大語誌』編纂の構想を十年以上にわたって推進したが、その論考・目録・年報などを初公開する。

◎その大きな成果が『国定読本用語総覧』(全12巻・国立国語研究所編・1985年~)である。『国定読本用語総覧』はどのように誕生したのか。本書はその核となった理論、具体的な手法を明らかにし、『国定読本用語総覧』を補完する。

◎林大「国語辞典覚書」、見坊豪紀「用例辞典編集作業のために」などの論考を初公開する。

◎飛田良文「日本語辞書学の課題」をはじめ、中村幸彦「近世語と現代」、築島裕「理想の国語辞書」など日本語辞典に関する論考を収める。

◎用例採集のための「主要文学作品目録」「主要雑誌目録」「ベストセラー目録」(以上500頁強)は明治から現代までの文学作品、雑誌、ベストセラーを厳選。書誌学的にも貴重なデータを収め、図書館参考図書の必備文献。

◎別冊(A5判)には、当時の研究者が辞典編集準備室の雰囲気を伝える。

 

■編者

飛田良文(ひだ・よしふみ)

1933年生まれ。国立国語研究所名誉所員。日本近代語研究会会長。国際基督教大学アジア文化研究所客員所員。 著書・編書に『東京語成立史の研究』(東京堂出版)『明治生まれの日本語』(淡交社)『国定読本用語総覧』(国立国語研究所・三省堂)『三省堂国語辞典』(三省堂、第四版から)『現代日葡辞典』(小学館、ロドリゲス通事賞受賞)『大辞泉』(小学館)『哲学字彙訳語総索引』(笠間書院)『日本語学研究事典』(明治書院)『ヘボン著和英語林集成 初版・再版・三版対照総索引』(港の人)『改訂増補哲學字彙 訳語総索引』(港の人)など多数。

 

■目次

はしがき 飛田良文

関係者一覧

凡例

 

第一章 「日本大語誌」構想の位置 飛田良文

日本語辞書学の課題/『日本大語誌』の考えかた/付記「日本大語誌記載例(案)」/日本語の百年 「国定読本用語総覧 1」を編集して

第二章 「日本大語誌」構想の経緯――『国立国語研究所年報』(昭和52-63年度)

国語辞典編集準備室の作業/文部省科学研究費補助金による研究

第三章 「日本大語誌」構想の内容と編集方針

国語辞典覚書/諸外国における大辞典/現代語用例辞典の構想

第四章 「日本大語誌」の用例採集法

用例辞典編集作業のために(一)/用例辞典編集作業のために(二)/用語総索引作成のための電算機利用方式/スカウト式用例採集の手引き/スカウト方式による用例採集の実験的試行

第五章 用例採集の対象と文献目録

用例採集のための主要文学作品目録/用例採集のための主要雑誌目録/用例採集のためのベストセラー目録/外国語のコンコーダンス一覧

 

「日本大語誌」関連論考

辞書・用例・索引 林 大

近世語と現代 中村幸彦

理想の国語辞書 築島 裕

「日本大語誌」関連資料

国立国語研究所設置法

『国定読本用語総覧1』刊行のことば・後記

『国定読本用語総覧1』刊行時の文部省広報室記者発表の配布資料

『国定読本用語総覧1』刊行時のマスコミの反響

 

別冊「日本大語誌」計画作業の思い出 飛田良文編

「私にとっての国語辞典編集準備室」湯浅茂雄

「国語辞典編集準備室の思い出」村山昌俊

「静寂の音」藤岡純子

「辞典編集準備室の頃」服部隆

「林大・見坊豪紀両先生の思い出」貝美代子

「御宿行」妹尾和子)

「「日本大語誌」計画作業の思い出」飛田良文

 

■書評

「図書新聞」2013年4月20日

 

 

  • B5判/上製/本文1016頁/函入
  • 32,000円(本体価格・税別)
  • 2012年12月刊
  • ISBN978-4-89629-257-2 C3081