生命倫理学と現代

岡部一興 著

初めての人にもよくわかる生命倫理学の入門書。高度医療が発達した現代社会における生命とはなにか。わたしたちの死はいつから「死」なのか。人間の根本的な生と死をめぐるテーマを中心にすえて、生命倫理学の視点から現代のわたしたちが直面しているさまざまな問題、インフォームド・コンセント、人工妊娠中絶、脳死、臓器移植、安楽死と尊厳死、環境汚染……などを取り上げて、その問題のあり方と解決のいとぐちを考えてゆく。

 

■著者

岡部一興(おかべ・かずおき)

1941年東京都荻窪生まれ。1970年明治学院大学大学院経済学研究科修士課程修了。相洋中高等学校教諭、教頭などを歴任、また明治学院大学、明治大学、青山学院大学において講師を勤め、現在麻布大学講師、明治学院大学キリスト教研究所協力研究員。

キリスト教史学会庶務理事、フェリス女学院理事、日本歴史学会会員、経済学史学会会員、横浜プロテスタント史研究会世話人。

著書

『宣教師ルーミスと明治日本―横浜からの手紙』(編著、有地美子訳、有隣堂)2000年

『横浜指路教会百二十五年史 通史編』(横浜指路教会)2004年

『社会教育―現場の教師から』一考舎 2005年

『現代社会と教育』(学文社)2007年

『横浜開港と宣教師たちー伝道とミッション・スクール』(共著、有隣堂)2008年

『ヘボン在日書簡全集』(編著、高谷道男訳・有地美子訳、教文館)2009年

他論文多数

 

■目次

はじめに

第1章 生命倫理学とは何か

バイオエシックスとは/インフォームド・コンセント/「ヘルシンキ宣言」1964年

第2章 生と死を見つめて─健康と病気─

健康/病気

第3章 戦争・紛争・災害

ハンセン病/戦争と死/災害/飯館村の悲劇

第4章 人工妊娠中絶と生命倫理

妊娠中絶/胎児の人格/生殖補助医療

第5章 環境倫理

環境汚染/公害

第6章 脳死と臓器移植

死の三徴候/脳死の判定/臓器移植

第7章 安楽死・尊厳死

安らかな死/安楽死と尊厳死の違い/積極的安楽死/消極的安楽死/オランダの安楽死法

第8章 生命倫理学と宗教

「創唱宗教」と「自然宗教」/日本における生命倫理学と宗教

第9章 今後の生命倫理学と医療保険制度

保険制度/高齢者福祉

 

 

  • A5判/ソフトカバー/本文96頁
  • 1,000円(本体価格・税別)
  • 2012年9月刊
  • ISBN978-4-89629-255-8 C0012
  • ※在庫僅少