ことしのなつやすみ

片岡直子

H氏賞詩人・片岡直子のエッセイ集第2弾。初めて詩に目覚めた、14歳のなつやすみ。かつての少女は、やがて妻になり、母になり、そして詩人になった。詩人がつづる、遠い日々の記憶と、いま。

 

家庭外恋愛を描いた『産後思春期症候群』で、女性から大きな支持を受ける詩人・片岡直子。思わずドキリとさせられる、夫たちへのメッセージ。子供に向けられた、母のあたたかいまなざし。女性として貪欲に生きる詩人のことばは、ときにきびしく、ときにやさしい。すべての女性に贈る一冊。

 

■著者

片岡直子(かたおか・なおこ)

1961(昭和36)年、入間市生まれ。1995(平成7)年、詩集『産後思春期症候群』(書肆山田)で第46回H氏賞を受賞。詩集『素敵なともだち』『なにしてても』(共に書肆山田)、『曖昧母音』(思潮社)。エッセイ集『おひさまのかぞえかた』(書肆山田)。

 

■目次

I 詩

井川さん/

会えば愛されてしまう/

「しっぽ」から/

背中合わせの紺の事務服/しなやかな受容体 川崎洋さんと、詩の言葉/三冊、という無尽 松井啓子さんの詩によせて/しゃっくりの止め方 詩の吐き出し方/耽溺と仕込み/詩が始まる場所/この頭は男だ/全ては詩から/遅れて届くもの/素、になること/『なにしてても』/ことしのなつやすみ/耳に残る詩集/詩が、いる、場所/紅い実 『おひさまのかぞえかた』/詩を、書かない自由/十月○十日/詩のタッグマッチ/詩が音楽になるとき/それを越えてゆくもの/romapoesia 2001/たどたどしいことと滑らかなこと/枕詞の憂鬱/壁のにょろにょろ/山形と私とのハネムーン/そびれている

II 遠い日々

武蔵野雑感/はじける天使をみあげて 小沢健二がとどくとき/まみれていればすごく幸せ これがなくては生きてゆけない三つのもの/ウブドゥ カフェ「クブク」にて/触感で愛してる/もんぺと竹馬/逆走「しろげ」日録/Memory 2001/最後のお店/ローマの数日/重い本 耽る本 投げ飛ばす本?/出会い系 再会系/みっしりした沈黙/打たれても響かない/五十冊の本/水曜日の図書館/この本と出会った 『ペピの体験』/古典を読む/眠れるエロスを刺激する微熱ガイド/気がつけば軟式テニス/内側からの暴力/オリンピック観戦/こわれそうな夫たち/母をやっても突き抜けたい/孤独はどこからしのびこむのか/ハレモノ/恋と子育てと/くすぐっても、いい?/たくさんの中の一人/棒倒しの頃から/山形と私とのハネムーン/そびれている

お茶と陶器と あとがきにかえて

 

■書評

山形新聞2009年7月26日

 

 

  • 四六判並製/カバー装/本文248頁
  • 1,800円(本体価格・税別)
  • 2009年7月刊
  • ISBN978-4-89629-207-7 C0095