◎釈迢空の豊穣な世界に誘う、画期的な注釈書。
◎釈迢空(折口信夫)の第一詩集『古代感愛集』全詩篇を注釈・解説した初の試み。古語を使用する迢空の難解な詩語を、一語一句詳細に解説。
◎沖縄を舞台とした壮大な叙事詩「月しろの旗」、柳田国男『遠野物語』へのオマージュ的作品「遠野物語」などを含む、迢空の傑作詩集が堪能できる一冊。
◎生い立ちからの影響や、藤井(折口)春洋との関係など、様々な観点から、『古代感愛集』を解読する。
◎『古代感愛集』研究、および詩人・釈迢空研究の嚆矢となる画期的な書。
■釈迢空(しゃく・ちょうくう)について
本名・折口信夫。1887(明治20)年大阪生まれ。1953(昭和28)年没。民俗学者、国文学者、歌人、詩人。歌、詩、小説など創作にかかわる際には、釈迢空という名を使用した。短歌結社誌「アララギ」に参加し(のちに退会)、歌人として第一歌集『海やまのあひだ』などを発表した。代表作に『古代研究(全三巻)』『死者の書』などがある。『古代感愛集』は釈迢空の第一詩集として1948(昭和23)年に刊行され、芸術院賞を受賞した。
■著者
石内徹(いしうち・とおる)
1947(昭和22)年生まれ。清和大学短期大学部教授。専門は近代文学。主な著書に、『折口信夫|折口学の水脈』(日本図書センター)、『折口信夫 人と文学(日本の作家100人)』(勉誠出版)、『荷風文学考』(クレス出版)、『神西清文藝譜』(港の人)等。編書に、『雪の宿り 神西清小説セレクション』(港の人)、『人物書誌大系20 折口信夫』(日外アソシエーツ)、『神西清日記 昭和十八、十九年』『神西清日記II』(共にクレス出版)等がある。
■目次
凡例
『古代感愛集』について
追悲荒年歌
乞丐相
幼き春
干瀬の浪
伊平屋の村
古びとの島
夏日感傷 四章
はつくさ
おもの ちしる
松風に村
遠野物語
足柄うた
かぞへうた
雄勝の山
応報
山尋ね
飛鳥の村
香具山にのぼりて
おほやまもり
淡海歌
声澄む春
月しろの旗 一 海の幻/二 月しろの旗/三 海の賓客/四 南風/五 島の神 洋の神/六 佐敷小按司
補考一覧
初出一覧
あとがき
- 四六判上製/カバー装/本文696頁
- 8,800円(本体価格・税別)
- 2009年6月刊
- ISBN978-4-89629-205-3 C0095