C・レヴィ=ストロースのサンパウロ、今福龍太のサンパウロ。
20世紀最大の人類学者、C・レヴィ=ストロースの名著『悲しき熱帯』を読むための新たな挑発。
『悲しき熱帯』や写真作品を精緻に読み解きつつ、C・レヴィ=ストロースの思想にとって〈ブラジル〉という場がどのような意味をもっていたかを再考する
■編著者
今福龍太(いまふく・りゅうた)
1955年東京で生まれ、湘南の汀で育つ。文化人類学者・批評家、東京外国語大学大学院教授。游動型の野外学舎「奄美自由大学」を主宰。メキシコ中央高原、カリブ海群島、テキサス・メキシコ国境地帯などで移動と混血の現実を生きる人間文化と詩学について研究調査を行う。2000年にサンパウロ大学日本文化研究所で教え、翌年からはサンパウロ・カトリック大学記号コミュニケーション研究所の客員教授も兼任。2008年、クロード・レヴィ=ストロースとの共著『サンパウロへのサウダージ』(みすず書房)を刊行。おもな著書に、『クレオール主義』(ちくま学芸文庫)、『荒野のロマネスク』(岩波現代文庫)、『ブラジルのホモ・ルーデンス』(月曜社)、『ミニマ・グラシア歴史と希求』『群島-世界論』(以上、岩波書店)など。共著に『アーキペラゴ 群島としての世界へ』(吉増剛造、岩波書店)、編集に『山口昌男著作集』(全5巻、筑摩書房)などがある。
淺野卓夫(あさの・たかお)
1975年生まれ。サウダージ・ブックス共同代表。三浦半島の秋谷で本のサロン「サウダージ・ブックス」を運営しつつ、旅の精神史をテーマにエッセイの執筆・編集・翻訳などの活動を展開中。2000年より3年間サンパウロに滞在し、日系移民の古老への聞き書きを中心としたフィールドワークを行った。共訳に、カレン・テイ・ヤマシタ「ぶらじる丸(抄)」(「すばる」2008年7月号)、同「旅する声」(今福龍太編『「私」の探究』岩波書店)、アラン・ダニエル-『シヴァとディオニュソス』(講談社)など。
■目次
はじめに
「ブラジルから遠く離れて 65年後の瞬きとともに」今福龍太
『悲しき熱帯』を讃えて 引用の小冊子
「手と手のあいだのサウダージ レヴィ=ストロースと今福龍太」淺野卓夫
「カナリー椰子のフィールド小屋で レヴィ=ストロースの99年と世紀の時間」今福龍太
「瞬きのあとで」今福龍太
- 四六判変型/フランス装/カバー装/本文136頁
- 2,000円(本体価格・税別)
- 2009年4月刊
- ISBN978-4-89629-204-6 C0039
- ※在庫僅少