四つの回廊

宮島秀幸 著

詩人のもうひとつの顔は、信州駒ヶ根の森の中で蕎麦店を営む蕎麦職人。伊那谷の自然と四季をうたった、のびやかで素朴な魅力あふれる第一詩集。光を言葉にかえて自然と交感し、詩をうつ信州詩人の確かな誕生。

 

■跋文「『四つの回廊』によせて」より

太古、人間が喜怒哀楽の感情を意識したときから、それが自然の春夏秋冬によく現れているのを知ってきた。中国古代の荘子は、はやくも、「喜怒ハ四時ニ通ズ」と言っている。以来、人はそうした感情を四季の風情に托して歌ってきた。とくにわが国の詩歌はその方向に深く浸透した――誰しもが認めることだ。

いま、時代の流行は詩歌をその方角から引き離そうとしている。私も宮島君もまったく流行遅れの詩人である、しかし四季の不易につながっている。

加島祥造(詩人)

 

■著者

宮島秀幸(みやじま・ひでゆき)

1959年長野県生まれ。2000年に蕎麦屋「丸富」を飯田市より駒ヶ根市へ移転、現在に至る。3年前、ゆうすげの花との出合いをきっかけに詩を書き始める。

 

 

  • A5判/ソフトカバー/カバー装/本文63頁
  • 1,800円(本体価格・税別)
  • 2006年9月刊
  • ISBN4-89629-163-8 C0092
  • ※品切れ