江戸時代から現代までの児童文学研究のあゆみを鳥瞰し、21世紀の児童文学のあり方を確かな力で指針する初めてにして画期的な大作。
■著者
上笙一郎(かみ・しょういちろう)
1933年生まれ。埼玉県出身。文化学院卒。
主著:『児童文学概論』『日本のわらべ唄』『児童出版美術の散歩道』『日本児童史の開拓』『日本子育て物語(育児の社会史)』ほか多数。
受賞:毎日出版文化賞、日本保育学会賞、日本児童文学学会特別賞
■目次(かっこ内の数字は400字詰原稿用紙枚数)
第1部 児童文学研究の思想[研究総論]
児童文学研究に志す人へ(30枚)
日本児童文学研究のあゆみ(190枚)
〈評論〉と〈研究〉のあいだ(30枚)
児童文学=〈資料〉と〈研究〉をめぐりて(50枚)
地方=地域の児童文化とその研究(50枚)
〈児童文学研究〉と〈女性〉(50枚)
一冊の本 解かれて死なずば
日本の〈遊び=おもちゃ研究〉のあゆみ(40枚)
〈子どもの権利〉思想のあゆみ(80枚)
わたしの生き方・わたしの研究 いわゆる立身出世をする気さえなければ
第2部 時代の波・運動の波[研究各論]
江戸期の童話研究書『雛廼宇計木』『桃太郎乃話』および『童話長編』について(80枚)
『江戸期昔話絵本の研究と資料』(内ケ崎有里子)を褒む
書評一束=児童文学前史
少年文学研究会=児童文学研究組織の初発(50枚)
児童芸術研究会編『児童芸術講座』について 大正期児童文化思想の指標(30枚)
児童芸術協会と雑誌「可愛い芸術」(60枚)
日本童話協会と「童話研究」(40枚)
日本童話協会編『綜合童話大講座』解題
もうひとつの日本童話協会
児童文学卒業論文の嚆矢
『現今少年読物の研究と批判』(遠藤早泉)について
『芸術を基調とせる 低学年の教育記録』(霜田静志)について
『少年文学史[明治篇]』(木村小舟)のなりたち(30枚)
『小山作之助先生の面影』(村上市郎)について
『ペチカは燃える(今川節)』(江守賢治)について
『日本児童画史概観』(船木枳郎)について
児童文学者の追悼文集(30枚)
近代日本における児童文化組織と日本児童文学者協会(3枚)
日本児童文学学会と「児童文学研究」(30枚)
日本イギリス児童文学会二十年と聞いて
『日本児童文学大事典』を読む(60枚)
児童文学評論・研究賞の一片史〈関英雄賞〉選考の報告
中国語訳『児童文学概論』その他のこと
書評一束=近代児童文学
ある著作権侵害事件について
ある剽窃事件の次第
〈研究〉にも〈エチケット〉あるべきこと
書評一束=児童文化
第3部 荒野に鍬を入れた人たち[研究者論]
東基吉=幼児教育・幼児文化の鍬入れ人(50枚)
上月とき子=最初の女性児童文学評論家(30枚)
滑川道夫=その児童文化研究の仕事(30枚)
〈滑川道夫文庫〉を見る
国分一太郎氏 心には深く 現実には淡く
〈圭〉の生涯=藤田圭雄
弥吉菅一さんを思う
関英雄=その児童文学評論(30枚)
冨田博之=その人と生き方(30枚)
哀悼 上地ちづ子
児童文学研究=北ぼうの人たち
関口安義さんとわたし 『恒藤恭とその時代』を読みて
上笙一郎著作目録
上笙一郎自筆年譜
人名・書名索引
- A5判/上製本/糸かがり/口絵写真8頁/本文792頁/函入
- 14,000円(本体価格・税別)
- 2004年11月刊
- ISBN4-89629-132-8 C3095