日本語辞書研究 全5輯(6冊)

近思文庫 編輯

■刊行にさいして

各時代の日本語辞書は、その時代の文化を背負っているといっても過言ではない。 私どもの近思文庫では、従来は主として中近世の辞書を中心に資料の公開に努めてきた。

今二十一世紀の幕開けと共に、ニューバージョンとして広く日本語辞書全体に範囲を拡張し、その論集を『日本語辞書研究』と銘打って公刊することを企画した。内容も、日本語学・日本文学専攻者に限らず、日本史学・文化史学・教育史学、あるいは日本語教育専攻の方にもご執筆頂くこととした。なるべく多くの方々に、特に若い研究者のご参加を歓迎する。

江湖の諸賢、何卒私どもの微意を諒とされて、ご協力賜りたくお願い申し上げる。

近思文庫編輯主幹 大友信一

 

■各巻の内容

第1輯

「「塵芥」の諸本について」大友信一

「中世辞書史考察の一側面」木村晟

「『日本一鑑』名彙の研究〔一〕」片山晴賢

「西年寺本類聚名義抄の一本について」西崎亨

「『嚢鈔』に於ける「佛名懺悔」記載典拠について」畠山恵美子・萩原義雄

「「布令字弁」とその後継」豊澤弘伸

「国語辞典とスポーツ」清水泰生

「官版『干禄字書』の周辺と明治版『干禄字書』(上)」谷本玲大

「『増補下学集』の増補部分について」服部龍太郎

「「色葉字平他」類の韻書と『平他字類抄』の対照一覧〔一〕」木村晟

 

第2輯

「中世辞書史考察の一側面 続貂―辞書編纂の意図をめぐりて―」木村 晟

「『日本一鑑』名彙の研究〔二〕」片山晴賢

「文字使用の規範―「以上」・「已上」、「以前」・「已前」等―」西崎 亨

「『嚢鈔』卷第一「五節供」の典拠資料について―『東山徃来』『拾芥抄』『太平記』「『下學集』等からの引用姿勢―」萩原義雄

「社会生活資料としての『国語辞典』―「主婦」と「主夫」の時代性―」郡千寿子

「「忍耐する」ことを表す動詞の使い分けについて」清水泰生

「官版『干禄字書』の周辺と明治版『干禄字書』(下)」谷本玲大

「『増補下学集』における『拾芥抄』の受容〔一〕」服部龍太郎

「色葉字平他」類の韻書と『平他字類抄』の対照一覧〔二〕」木村晟

「三、『伊露葩字』」木村晟

「四、『天正十六年本 色葉集』」木村晟

「『漢語字解 作文いろは字引大全』五十音索引」豊澤弘伸

 

第3輯上 木村晟博士古稀記念

「献呈の辞」片山晴賢・古瀬順一・豊澤弘伸

木村晟博士略歴

木村晟博士著作目録

「「塵芥」と「平他字類抄」」大友信一

「『塵芥』における『下学集』の享受について[上]」木村晟

「南船北馬再考 ―語の由来を求めて―」杤尾武

「辞書等における「音声」の解釈をめぐって ―日本語音声学講義序説―」古瀬順一

「開板節用集「い」部乾坤門の語順 ―「乾 陰陽デハジマルモノ」を対象に―」菊田紀郎

「『日本一鑑』名彙の「事説」について」片山晴賢

「『宋本玉篇』による『原本玉篇』の義解の減増、継承と改変について」丁 鋒

「『増補下学集』における『拾芥抄』の受容〔二〕」服部龍太郎

「『運歩色葉集』の編纂意図をめぐって」相澤貴之

「古辞書抄物『玉塵抄』訓注索引」大友信一・木村晟・服部龍太郎

 

第3輯下 木村晟博士古稀記念

「叡山文庫蔵『韻字記』の主要典拠について」木村晟

「キリシタン時代の翻訳法 ―文化の翻訳と新しい文体の創造―」小島幸枝

「山家本法華経裏書所引の三寶類聚名義抄」西崎亨

「イタリア、サレジオ大学マリオ・マレガ文庫所蔵江戸時代末に成る『真書千字文』の文字仕様について」萩原義雄

「小型国語辞典からみた応答詞、感動詞について」清水泰生

「京都女子大学蔵新編訓点略玉篇に就いて」鈴木功眞

「平安時代の終助詞「かし」の機能について(一)」奈部淑子

「国語辞書、今そして将来 ―まなぶ立場から―」木村晟

「人の名尽 十三種 索引」三宅ちぐさ

「日本語入力システム辞書収録語の変遷 ―ATOK7~ATOK8を中心に―」谷本玲大

「パジェス『日仏辞書』における「Coi(恋)」―日本語受容の一面について―」郡千寿子

「留学生の辞書使用の実態 ―アンケート調査の結果から―」奥原淳子

「明治期の日本における韓国語学習書について」齊藤明美

「アクセントを記載した日本語辞書」田中宣廣

 

第4輯

「献呈の辞」木村晟・片山晴賢・萩原義雄・相澤貴之

「『増刊節用集』の原拠調査[三]―辞書編纂過程を探るために―」 木村晟

「「也」字訓「マタ」に関する若干の覚書―醍醐寺蔵本『遍照発揮性霊集』の場合―」西崎亨

「『下學集』における『祖庭事苑』からの引用語について」萩原義雄

「小学校学習指導要領と『国語辞典』―「辞書を読む」授業実践例からの考察― 」郡千寿子

「『落窪物語』における擬音語」奈部淑子

「『塵芥』と『河海抄』」相澤貴之

「『色葉字訓』について」木村晟・鈴木功眞・相澤貴之

「『新雕入篆説文正字』に見る宋代大徐本『説文解字』の一端」丁 鋒

「「コース」「レーン」・「ゴール」「フィニッシュ(ライン)」について」清水泰生

「コンピュータ用の手紙文例集に於ける書簡用語―Wordの「文例ウィザード」の場合― 」谷本玲大

 

第5輯

「最終輯刊行の辞」木村晟・片山晴賢・相澤貴之

「『増刊節用集』の原拠調査[五]―辞書編纂過程を探るために―」木村晟

「『塵芥』の主要典拠と編纂意図について」木村晟

「『塵袋』の典拠について―[巻第一]の重要漢籍を中心に― 其の一」片山晴賢

「意義分類体辞書としての往来物―辞書史に往来物を位置付けるために―」西崎亨

「語注記にみる種々の疑問とその検証覚え書き―室町時代の古辞書を中心として―」萩原義雄

「『康煕字典』唐本・和刻本間に於ける巻序の差異について」谷本玲大

「『温故知新書』における『聚分韻略』の享受について」相澤貴之

「『大淵和尚再吟』と『禅道文刹』との対校」木村晟

「『大淵代抄』の訓読資料」木村晟

「「ねだる」の類義表現をめぐって」清水泰生

「「~を問わず」「~にかかわらず」について」清水泰生

「国語辞典におけるスポーツ用語の比喩表現(日常語)について―陸上競技の用語を通じて―」清水泰生

 

 

  • A5判/上製本/糸がかり/函入/本文382〜506頁
  • 第1輯 9,400円(本体価格・税別)
  • 第2輯 13,000円(本体価格・税別)
  • 第3輯上 14,000円(本体価格・税別)
  • 第3輯下 14,000円(本体価格・税別)
  • 第4輯 8,800円(本体価格・税別)
  • 第5輯 12,000円(本体価格・税別)
  • 揃定価 71,200円(本体価格・税別)
  • 2003年3月(第1輯)、2003年11月(第2輯)、2005年3月(第3輯上・下)、2007年5月(第4輯)、2007年4月(第5輯)刊
  • ISBN4-89629-116-6 C3381(第1輯)
  • ISBN4-89629-119-0 C3381(第2輯)
  • ISBN4-89629-139-5 C3381(第3輯上)
  • ISBN4-89629-140-9 C3381(第3輯下)
  • ISBN4-89629-164-6 C3381(第4輯)
  • ISBN978-4-89629-176-6 C3381(第5輯)