日本語学叢考

鈴木博 著

専門のカナ抄研究に関するものから、学生たちに講義してきたことなどを加筆して収録。唱歌「荒城の月」の歌詞のなかの「つるぎ」の切っ先は、上を向いていたのか、それとも下を向いていたのか、唱歌「ローレライ」の近藤朔風の訳詞は誤訳か創作か、『わが西遊記』の著者中島敦の頭のなかにあった孫悟空たちのごろ寝の順序は? ミステリー小説『殺人詩篇』における書誌学的問題など、ユニークなテーマを日本語学的に論じる。

 

■目次

はしがき

1. 文頭の接続詞「故に」の読み

2. 『蒙求抄』古活字版の錯簡について

3. 『三略抄』六冊本の文脈つき要語句集

4. 『小倉百人一首』六三番の「とばかりを」の「と」

5. 小学唱歌「八幡太郎」の多角的考察

6. 唱歌「荒城の月」の歌詞「植うるつるぎ」の意味

7. 唱歌「ローレライ」の訳詞をめぐって

8. 室内ゲーム「カルム」は南蛮渡来か否か

9. 孫悟空たちのごろ寝の順序を考える

10. 『殺人詩篇』(ウィル・ハリス)を国語学する

11. 京都市西部の地名「嵯峨(野)」の起源

12. 滋賀大学所蔵の国定期以前の旧国語教科書の類についての個別的解説

あとがき

 

 

  • 四六判/上製本/糸かがり/函入/本文213 頁
  • 3,400円(本体価格・税別)
  • 2002年4月刊
  • ISBN4-89629-101-8 C3081