著者はことに歌舞伎に造詣が深く、独自の日本芸能学を樹立。そのかたわら「歩く」「青森のキリスト」など「郡司かぶき」といわれる数々の名作を世に問うた。舞台とは、俳優とは、セリフとは、と演劇の真髄を気骨ある簡潔な文章で表した本書は、郡司正勝の演劇に対する烈しい情熱が燃えているマグマの書物である。本書を読めばたちまちこころがヤケドする。だがいまヤケドしなければ、日本の演劇界に明日がないと言っても過言ではない。
2016年7月に『歩く 増補改訂版刊』刊。
■著者
郡司正勝(ぐんじ・まさかつ)
1913年北海道札幌市生まれ。早稲田大学文学部卒業。早稲田大学演劇博物館員、講師、助教授、教授をへて退職。名誉教授。古典芸能、ことに歌舞伎に造詣が深く、独自の日本芸能学を樹立。1963年より歌舞伎の演出、監修に携わり、「郡司かぶき」といわれる数々の名作を世に問うた。1998年札幌にて死去。享年84。主著に、『郡司正勝刪定集』(全6巻、第5回和辻哲郎賞)、『かぶき―様式と伝承』『かぶきの發想』『おどりの美学』『童子考』『鶴屋南北』『芸能の足跡 郡司正勝遺稿集』ほか多数。
- 四六判/ソフトカバー/カバー装/口絵写真4頁/本文128頁
- 1,500円(本体価格・税別)
- 1998年10月刊
- ISBN4-89629-017-8 C0074
- ※品切れ