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『草地の時間』
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〜栞の文章より〜
さびしい子供を心の中に抱く村野さんは、変化してやまない世界と自己の心の姿を見つめることで絶えず自分を立て直して来たのだろう。そのように、自己を固定したものとせず、変身、変転を恐れないことは、全てのものが平等であり同質であるという、自他への信頼と愛情の意識と、そして抱き続けてきた「子供」の想像力の働きから来ているのではないだろうか。そのことが、この詩集の中のものたちの、際立って生き生きとした存在の脈動を生んでいるように思われる。
(「藍色のうさぎの行方」中本道代氏より)
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 村野美優は、歩く詩人である。街を歩き、たえず場所を移動しながら、そこから何かを拾って帰ってくる。何かとは、そこで出会った一回性の想い、それが詩篇に凝ったもの、といってもいい。(中略)
 私は、この歩く詩人の姿に、何か(誰か)を求めて、あるいはときに波立つこころを鎮めるために街を移動するものの姿に、しばしば「はぐれた子供」の影を認める。人は容易に子供時代と別れることはできない。あるいは村野氏に限らず詩人の書くもの、その時の流れには、いつでもどこかへの帰り道を探す「はぐれた子供」がいる、といってもいい。だからといってそれはなにもノスタルジーや郷愁といったこととは全く関係はない。この地上のさまよいはいまここへの、同時に帰り着けないものへのたえざる問い返しであり、叫びである。
(「『草地の時間』に射し込む光」吉田文憲氏より)

■目次
一個の実

青いドア
空のターミナル
公園の思い出
藍色のうさぎ
小さな風
寝床のふね
草の音
日陰のダンディ
ハルジオン
原っぱ
ささやき
夏休みラジオこども科学的ではない電話そうだん「こころってどんなものですか」
ジョロウグモ
女神
土くれ
パン
春のスタンド
つくしのポーズ
草地の時間
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