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『古辞書影印文献』
本書の詳細

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■収録書目
第1輯・増補下学集・定価9,000円(本体価格・税別) [品切れ]
山脇道円撰述の寛文9年(1669)刊『増補下学集』(5巻5冊)は、単なる『下学集』の増補版ではない。『元和版下学集』が全て49丁の書であるのに対して、本書は実にそれの5倍にも相当する全227丁、総語数15000語を超える浩瀚本と成っており、『下学集』とは別の一書として扱うべき辞書である。まず『下学集』(元和版)の本文(語彙)はそのまま収め、それに加えて『和名抄』や『易林本節用集』他の典拠に基づいて大幅に増補し、多様な内容の書になっている。「世話字」の用例も多く、増補部分の後に『国華合記集』が附載されていて、漢詩等の作詞作文のためにも利用されたことが判る。谷川士清の『和訓栞』に引用された『下学集』の用例は本書『増補下学集』に拠っている。『和漢新撰下学集』と共に、江戸時代前期の辞書中の基本文献である。

第2輯・無言抄 全3巻・定価9,000円(本体価格・税別) [品切れ]
本抄(全3巻)は、高野山興山寺派の真言宗僧応其の撰述にかかるもので、成立は天正14年(1586)10月に草稿成り、紹巴の校閲を受けて再三加筆して慶長2年(1597)に完成した。内容は『連歌新式』を増補改訂し、その収録語彙をイロハ順に排列した連歌辞書(以呂波詞)。式目関係の事項が網羅されている上、34項の切字に関しても説く。紹巴の切字説(『連歌至宝抄』『連歌教訓』)と共に充実した内容のものとなっている。「以呂波詞」の部分に文法的注記も見られ、国語学史的な価値も認められる。連歌史・語彙史・辞書史の重要基本文献。

第3輯・連歌新式注【1】連歌新式追加新式今案附/【2】連歌新式追加并新式今案等/【3】連歌新式増抄
全2巻(寛文5年刊本)本体11,000円(本体価格・税別
一般に『連歌新式』というのは、応安5年(1372)に二条良基が救済の助力を得て制定した『応安新式』を基本として、同じ良基が自らそれに追加し、一条兼良が享徳元年(1452)に宗砌の意見を聴いて修訂を加えた謂わゆる『新式今案』を、さらに肖柏が文亀元年(1501)に増訂して完成させたものをいう。体例は非辞書体ではあるが、連歌の式目に即して一種の辞書風に配した連歌用語集となっており、『無言抄』(本シリーズ第2輯所収)のように本書の収録語彙をイロハ順に改編した連歌辞書も存在するほど、連歌史研究は言うに及ばず、辞書史研究にも重要な書である。またこの『連歌新式』には室町時代末期から江戸時代初期にかけて極めて多くの注解書が著述された。それらの注解書は修訂・増補を繰り返し、寛文5年(1665)刊の『新板連歌新式増抄』に至っている。連歌史研究・連歌辞書史研究の基本文献であると共に、語彙研究に資するものである。

第4輯・連歌天水抄【1】連歌答問/【2】天水抄/【3】連歌天水抄・定価12,000円(本体価格・税別)

本抄は、永禄4年(1561)10月15日、近江国浅井備前正慶に、連歌師の宗養と昌休が招待され、千句連歌の興行に連座した際に、正慶から「連歌不審六ケ条」として質疑されたのに対して、後に伝書を都より取り寄せ宗養・昌休が共同で編輯したという書である。本抄は『宗祇初学抄』、『連歌髄脳秘伝集』、『世俗』、『宗祇袖下』、『連歌知連抄』、『連歌至宝抄』などの本文に類似した個所が多く見られ、中でも紹巴の『連歌至宝抄』を典拠としていることが顕著に窺われる。また本抄は、後出の『俳諧天水抄』(松永貞徳著、寛文21年[1644])に内容のみならず、書名に至るまで影響を与えており、両書の享受関係を知ることができ、連歌史・俳諧史研究にも有用である。何よりも『連歌至宝抄』と同時に連歌辞書史の立場から究明することが急務である。もちろん、語彙史研究にとっても重要文献となるであろう。

第5輯・歌 袋 全6巻・定価13,000円(本体価格・税別)
富士谷御杖撰述の『歌袋』(6巻)は寛政5年(1793)初刊。内容は巻一が歌論、巻二以下で歌の詠法を説く。この中で、巻二の「異名・詞部冠部・詞四具挿頭略・詞四具脚結略」と巻三〜巻六の「時節」の部分は語彙研究の重要文献である。例えば「異名」の「鷄ニハトリ カケ クダカケ 夕ヅケ鳥」「海ウミ ワタツミ ウナバラ」のような同義語・類義語の掲出は、歌語辞書『和歌初学抄』『八雲御抄』以来の系譜に立つもので、歌語研究・語彙研究に極めて有用である。「詞部冠部」はイロハ順排列の「枕詞辞書」になっている。「詞四具」では挿頭(副詞など)・脚結(助詞・助動詞など)を五十音順の辞字体に排列し、俚言(口頭語)で注解する。撰述者御杖が最も重点を置いたのは、巻三〜巻六の「時節」の部で、春部(巻三)・夏部(巻四)・秋部(巻五)・冬部(巻六)と、四季による第1次分類をした上で、歌題を時間の推移の順に排列し、歌例を施して詠法を解説しており、その厳正な著述態度も高く評価される。『詞葉新雅』と共に御杖編纂の二大辞書。

第6輯・世話尽 全6巻・定価9,000円(本体価格・税別)
『世話尽』(5巻5冊)は別名『世話焼草』、空願(大谷派真宗僧)の撰述になる俳諧作法書であり、俳諧用語辞書である。巻一は四季・神祇・釈教・恋・述懐・旅・俳諧等の部類別の用語集。巻二は俳諧用語の中、曳言・消息・市の項から成るイロハ順辞書。巻三は「以呂波寄因俳諧付」とする付合用語集。巻四は「体用之事」「付句嫌物」等の14項からなる作法書で、用語の配分や去嫌を説く。巻五は俳諧用語を用いての実作例を示す。先行する連歌辞書『無言抄』(本シリーズ第2輯所収)等からの影響も考慮される。近世語彙研究・辞書史研究必須の文献。

第7輯・永正元年版 聚分韻略 付載主要伝本和訓対照一覧〔大友信一博士古稀記念〕・定価11,000円(本体価格・税別))[品切れ]
虎関師錬の『聚分韻略』の「原形本」は南北朝時代に成立し刊行されたが、やがて平声・他声を対照し得る三重韻の形式を採るようになる。『文明13年本』はいわゆる『三重韻』の中の最古の版である。加筆の和訓仮名が豊富に施されていて、本書の国語資料としての価値を高めている。『永正元年本』も中央版で、所収の和訓が極めて重要な意味をもつ。室町・江戸期を通じてよく行われた『聚分韻略』は実はこの『三重韻』である。
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